「現地ガイドと巡る南山城古寺巡礼ツアー」の催行について

 「現地ガイドと巡る南山城古寺巡礼ツアー」の催行について

令和5年7月8日(土)から9月3日(日)まで奈良国立博物館にて開催されている特別展「聖地 南山城―奈良と京都を結ぶ祈りの至宝―」では、南山城地域の社寺に伝わる仏像や神像等、約140点が出陳されています。
お茶の京都DMOでは、特別展の開催に併せて、現地ガイドとともに特別展の舞台である古寺を巡る「現地ガイドと巡る南山城古寺巡礼ツアー」を企画しました。下記のとおり催行しますので、お知らせします。


 


   記


 


○「現地ガイドと巡る南山城古寺巡礼ツアー」の催行について


奈良と京都、その両方の都と密接に関わりながら育まれてきた南山城地域の歴史・文化を、今回の特別展での展示のみならず、実際に舞台である南山城の古寺に足を延ばしていただくことで、今なお息づく聖地としてのこの地域の魅力を実感していただけるよう、現地ガイドと巡るツアーを企画しました。


当ツアーは、観光庁による「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」の採択事業である「南山城地区古寺で触れて感じる本物の時間Japanese culture事業」の一環として、インバウンド向けに古来日本を感じていただく企画のひとつとして造成するとともに、特別展開催に際したお茶の京都エリアへの誘客の促進に係る事業についての木津川市との協定に基づき、特別展の機会を活用した地域のファンづくりのために実施するものです。


 


1.ツアーの概要


(1)催行期間


令和5年7月21日(金)から9月3日(日)まで(各コースの催行日程は以下のとおり)
令和5年7月15日(土)より申込受付開始(催行4日前までに申込が必要です。)


 


(2)日程及び行程


各地点間は、ジャンボタクシーで移動します。
各日、定員は8名(最少催行人員1名)です。


 


Aコース(水・土曜日※):奈良国立博物館ー浄瑠璃寺ー岩船寺ーJR木津駅


※うち、7月29日(土)、8月2日(水)、8月12日(土)、8月16日(水)、8月23日(水)、8月26日(土)、8月30日(水)、9月2日(土)は、英語ガイドによる案内です。


Bコース(木・日曜日※):奈良国立博物館ー大御堂観音寺ー海住山寺ーJR木津駅


※うち、7月30日(日)、8月3日(木)、8月13日(日)、8月17日(木)、8月24日(木)、8月27日(日)、8月31日(木)、9月3日(日)は、英語ガイドによる案内です。 


Cコース(金曜日※):奈良国立博物館ー神童寺ー蟹満寺ーJR祝園駅・近鉄新祝園駅


※うち、7月28日、8月11日、8月18日、8月25日、9月1日は英語ガイドによる案内です。


(3)旅行代金


一人2,500円(税込)


奈良国立博物館の観覧料は含まれていません。
各寺の拝観料・現地ガイド案内料・ジャンボタクシー代は含まれています。


 


(4)申込方法


以下のWEBサイトより申込
https://www.knt.co.jp/ec/2023/minamiy/


(英語版)
https://www.knt.co.jp/ec/2023/minamiy/en/


 


(5)ガイド協力


NPO法人 ふるさと案内かも


 


(6)企画


お茶の京都DMO(一般社団法人京都山城地域振興社)
TEL:0774-25-3239
MAIL:dmo@ochanokyoto.jp


 


(7)ツアー主催


近畿日本ツーリスト株式会社 京都支店
TEL:06-6535-7973
FAX:06-6535-8648
対応時間:平日10:00~17:00


 


2.見どころの紹介


[Aコース]浄瑠璃寺(じょうるりじ)


極楽浄土を表現した庭園は、国の特別名勝に指定されており、宝池を中心に、西に本堂・九体阿弥陀仏、東に三重塔・薬師如来を祀る平安時代の形を今に伝えています。


平安時代には、京都を中心に九体の阿弥陀如来を祀るお堂が多く造られたと云われますが、現存しているのは浄瑠璃寺だけです。本堂の九体阿弥陀如来像からは、平安末期、末法の世にあって社会情勢の不安が重なる中で極楽浄土を夢見る浄土信仰の高まりを間近に感じ取ることができます。


また、池の東に佇む三重塔は、平安時代末期に京都一条大宮から移築されたものとされ、本堂・九体阿弥陀如来像とともに国宝に指定されています。


当尾(とうの)地域の豊かな自然が見せる四季折々の美しさと、悠久の歴史を感じる名刹です。


 


[Aコース]岩船寺(がんせんじ)


深い緑につつまれるように建つ三重塔や古色を秘めて佇む本堂から、山寺の風情が感じられます。


寺の縁起では、天平元年(729年)に聖武天皇の勅願で建立されたと伝えられ、本堂に安置されている阿弥陀如来坐像は、高さ3メートルに迫る丈六の坐像。平安時代に一本のケヤキから切り出された一木造りの仏像は、その大きさから重量感を感じますが、表情は柔和な印象で、肉身の漆箔、衣の彩色も見ることができます。


普賢菩薩騎象像は今回の特別展に出陳されますが、本堂では、厨子内部の法華曼荼羅を熟視できるのが、この期間ならではの楽しみ方です。


関西花の寺二十五カ所のひとつでもあり、境内は季節の花も見どころです。


 


[Bコース]大御堂観音寺(おおみどうかんのんじ)


普賢寺という地名にその名を残すとおり、かつては多くの伽藍を誇る大寺院であったと伝えられていますが、火災と再建を繰り返し、永享9年(1437年)の焼失後は、大御堂だけが再建され、現在は、本堂と庭園が周囲の里山に調和し、美しい姿を見せています。


本尊の十一面観音立像は、天平時代と古く、この寺の建立当初から祀られているものです。国宝に指定されている十一面観音7体のうちの一つで、若々しい凛とした表情を間近で見れば、1300年の時を超えて、壮麗を極めた「筒城の大寺」が偲ばれます。


 


[Bコース]海住山寺(かいじゅうせんじ)


聖武天皇が平城宮から遷都した恭仁宮を眺める山中にあり、境内からは、かつて泉川と呼ばれた木津川を展望することができます。


国宝五重塔は、鎌倉時代に建立されたもので、初重には裳階(もこし)が設けられ、心柱が初重天井の上から立てられているのが特徴です。


また、本堂の十一面観音立像は、特別展に出陳されますが、今回は特別に奥の院の十一面観音立像を拝むことができます。奥の院の十一面観音立像は、平安時代前期の作と考えられ、像高は45.5センチと本堂のものより小さいですが、中興の祖である解脱房貞慶の念持仏であったとされ、緻密な彫刻は極めて秀麗です。


 


[Cコース]神童寺(じんどうじ)


所々に茶畑が広がる神童子地域。伊賀街道の風情を感じる集落の山際に神童寺はあります。聖徳太子の創建とされ、そののち、修験道の開祖である役行者が神童寺を訪ね、この山で修行したと云われています。修業中の役行者の前に、二人の神童が現れ、助力を得て蔵王権現像を刻んだという伝説が残る修験道の霊地です。本尊蔵王権現を祀る本堂は、応永13年(1406年)に再建されたもので、重要文化財に指定されています。


阿弥陀如来坐像、毘沙門天立像、日光・月光菩薩立像など、収蔵庫には数多くの文化財が安置されており、「平安時代の美術館」と称されることもあります。


 


[Cコース]蟹満寺(かにまんじ)


平安時代後期に書かれた「今昔物語」に登場する「蟹の恩返し」の舞台で、境内には至るところに蟹の紋様が配され、本堂の中で蟹の恩返しの説話を聞くことができる、まさに蟹の寺です。


毎年4月18日の蟹供養放生会には、全国から蟹に関わる事業者の方が訪れ、境内で沢蟹が放流されます。


本尊の釈迦如来坐像は、奈良時代よりもさらに遡る白鳳時代の丈六の金銅仏で、国宝に指定されています。険しい表情や流れるような衣文線が特徴的で、本堂ではその威厳ある姿を間近で見ることができます。